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ひよっ講座 vol.23 『60歳前後の方がDCに加入する際の注意点 4』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

60歳前後の方がDCに加入する際の注意点」について4回に分けて説明しています。

・60歳前後の方がDCに加入する際の注意点1>>
・60歳前後の方がDCに加入する際の注意点2>>
・60歳前後の方がDCに加入する際の注意点3>>

今回は前回に引き続き、企業型DCに加入する際の検討事項について話していきます。

2022年の法改正で、iDeCo(個人型確定拠出年金)に65歳まで加入できるようになりました。今までは、60歳までだったので、60歳近い方は、加入しないという選択で良かったと思います。
ところが、65歳まで加入できるとなると、加入を検討する余地がありますね。

企業型DCの無い会社員の方で、65歳まで務め、所得税が10%と仮定します。住民税は、一律10%です。

60歳で加入し、満額の23,000円拠出した場合、年間の節税額は、以下のようになります。

23,000円×12カ月×(10%+10%)=55,200円

5年継続すると、55,200円×5年=276,000円となります。

iDeCoに加入するには、2.829円の初期費用が掛かります。また、加入時には、毎月数百円のコストが掛かります。最安値のSBI証券などでは、毎月のコストは171円です。その場合、年間で2,052円となります。

ところで、毎月のコストですが、iDeCoの場合、掛金から差し引かれることになっています。23,000円拠出した場合、171円が引かれて、22,829円が積み立てに回るのです。

節税メリットは?

では、具体的にどのようにして節税メリットを受けるのでしょうか?

毎年10月に「小規模企業共済等掛金控除証明書」が郵送されます。生命保険料控除と同様に年末調整や確定申告で源泉徴収された税金から「取り戻す」ことになるのです。ちょっとしたボーナスをもらった気になれます。

ここで注意点が二つあります。

一つ目は、加入を始める年齢です。
60歳未満で加入を始める場合は、65歳になると受取れます。60歳以上で加入する場合は、加入してから5年経たないと受取れません。例えば、62歳でiDeCoに加入した場合、65歳まで3年積立てて、受取は67歳からとなります。加入するかしないかを考えると少し微妙な年齢ですね。

二つ目は、運用商品選びです。
運用期間が短いのであまりリスクを取らずに、節税メリットだけ得るのが精神衛生上良いかもしれません。選んだ運用商品が下落して、節税メリットを上回ると損した気分になります。但し、受取りは、75歳までにすればよいので、じっと回復を待つという選択肢もあります。

60歳前後の方がDCに加入する際の注意点を4回に渡りお届けしました。
若い方よりも検討事項が多くなるのが特徴です。

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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