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ひよっ講座 vol.20 『60歳前後の方がDCに加入する際の注意点』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

60歳前後の方がDCに加入する際の注意点」について4回に分けて説明していきます。

実は、2022年に確定拠出年金法が改正されるまでは、60歳近い方はDCに加入するかしないかを悩まなくてよかったのです。答えはシンプルで、「60歳近い場合は、加入しない」でした。

2022年の法改正で何が変わったの?

・iDeCoの加入年齢が、60歳までだったのが65歳までとなった

・企業型DCの加入年齢は、60歳未満となっていたのが、60歳を過ぎても70歳まで加入できるようになった(会社ごとの規約によるが、法令上70歳まで加入できるとなった)

・60歳以降に加入する場合、最短で受け取れるのは加入してから5年後となった

・iDeCoも企業型DCも、75歳までに受け取り方法(年金か一時金)を選択すればよくなった(法改正前は70歳)

企業型DCとiDeCoに共通する「基準」

企業型DCとiDeCoに共通する「基準」があります。(2022年法改正前後で変わらず)
それは、「60歳時点での通算加入者等期間」というものです。

「通算加入者等期間」は、「加入者であった期間」と「運用指図者であった期間」の合計の月数を言います。「加入者であった期間」とは、DCの掛金を拠出していた期間です。DCはポータブルなので、iDeCoで掛金を拠出していた期間と企業型DCで拠出をしていた期間を「通算」できます。「運用指図者であった期間」とは、掛金を拠出せずに運用指図していた期間です。

では、その基準とは、どういうものでしょうか?

60歳時点での通算加入者等期間が10年未満の場合、受給できる年齢が後ずれする制度があるのです。

10年以上の場合、60歳から

8年以上10年未満の場合、61歳から

6年以上8年未満の場合、62歳から

4年以上6年未満の場合、63歳から

2年以上4年未満の場合、64歳から

2年未満の場合、65歳からとなります。

例えば、59歳になったばかりの人がiDeCoに加入しようとした場合、従来は、1年しか積み立てられないし、受け取りは、60歳時点での通算加入者等期間が2年未満なので、65歳からしか受け取れないから入るのは止めようとなっていたのです。ところが、2022年の法改正後は、65歳まで、まだ6年あるし、受け取りは65歳からできるのであれば、税制優遇も大きいので加入しようとなります。

61歳でiDeCoに加入する場合は、4年間積立てができて、66歳から受け取れることになります。

企業型の場合は、会社の規約によりますが、65歳まで加入となっていれば、iDeCoと同様に4年間積立てができて、66歳から受け取りとなります。

加入を検討するときは、自身が国民年金や厚生年金の加入者であるかどうかを確認してください。企業に勤めている人は、問題ないのですが、自営業者の方は注意が必要です。60歳までに40年間満額国民年金を支払っている場合は、国民年金の加入者ではなくなりますので、60歳以降加入できません。

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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