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ひよっ講座 vol.16 『給与減額型のメリット』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

企業型の確定拠出年金(DC)には、加入形態が4つに分けられます。
その内、中小企業が最も導入しやすい「選択制」と言われる企業型DCの特徴を4回に分けてご説明します。

前回のコラムでは、企業型DCの一つの形態である「選択制」のプランをご紹介しました。
今回は、「給与減額型」と言われる所以を説明していきます。

一般的に、大企業と違い、中小企業は業績が安定しません。その為、福利厚生の為とはいえ、大企業のように従業員の為に毎月一定の掛金を拠出してあげることに大変大きな勇気が必要になります。また、企業型DCを運営するためには、毎月のコストを運営管理機関などに支払う必要があり、少人数では、コスト倒れになってしまいます。

そのような中小企業の問題点を一気に解消したのが「選択制(給与減額型)」なのです。

選択制(給与減額型)の仕組み

仕組みは、以下の通りです。

まず、基本給を一律55,000円引き下げます。

例:基本給300,000円の人は、245,000円になります。

次に引き下げた基本給の上に、55,000円の選択枠を上乗せします。
その選択枠は「生涯設計給付枠」や「ライフプラン給付枠」など、プランごとに呼び名は変わります。

従業員は、選択枠の範囲内で、「今、給与として受け取る」のか「DCの掛金として拠出する」のかを選択します。
全額を今、給与として受け取ることを選択した場合は、今までと何も変わりません。

例:基本給245,000円+選択枠55,000円=300,000円

従業員のメリット


選択制の特筆すべきところは、掛金の金額は、社会保険料の計算の基礎に含まれないことです。
また、税金の計算の対象外になります。

したがって、従業員のメリットとして、多くの掛金を拠出すればするほど、社会保険料の負担が軽減出来たり、納める税金が少なくなったりします。

会社側のメリット


一方、会社側ですが、社会保険料の負担は、原則、「労使折半」なので、多くの従業員が大きな掛金を掛ければ掛けるほど、企業の負担する社会保険料が減少します。
この「選択制(給与減額型)」は、業績が安定しにくい中小企業にとっては取り組みやすいプランなのです。

勘定科目では、販売費および一般管理費の中の「法定福利費(社会保険料)」が減少して「福利厚生費(企業型DCのコスト)」が増える形になります。トータルで、「販管費」が減少して、営業利益が増加する企業も多いです。

次回のコラムでは、「選択制(給与減額型)」の社会保険料・税金削減効果についてより深くご説明します。お楽しみに!

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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