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ひよっ講座 vol.15 『選択制企業型DC』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

企業型の確定拠出年金(DC)には、加入形態が4つに分けられます。
その内、中小企業が最も導入しやすい「選択制」と言われる企業型DCの特徴を4回に分けてご説明します。

選択制DCとは?

選択制DCとは、加入者である役員・従業員が自らの意思で、選択制DCに加入するかしないか、掛金をいくらにするかを「選択」できる制度です。

大企業が導入する確定拠出年金は、一般的に、企業サイドで掛金が決められています。
新入社員は5,000円、主任は10,000円、課長は30,000円といった具合に役職ごとに決められたりします。
なので、その企業に入社すれば、必ず、企業型DCの加入者となり、金額も決められているので「選択」の余地はありません。

その点、「選択制」は、自らの意思で決められるので、iDeCoに加入し続けたければ、企業型DCに加入する必要はないし、金額もそれぞれのライフプランに合わせて決めることができます。
新入社員でも、企業型の上限金額55,000円を拠出することが可能なのです。

また、金額の変更は、原則、毎月でも変更可能なのですが、会社の実務上の都合で、年に1回か2回変更できるようにしているところが多いようです。
それこそ、単身時代は、少し多めに積み立てたり、子供ができて教育費が嵩んだりするときは掛金を少なくするとかの調整が、自らの意思で可能となります。

随分と便利な制度なので、最近では、大手企業も選択制DCを導入しています。
例えば、ファーストリテイリング、JFEスチール、ヤマト運輸、NHK、日本経済新聞社、クレディセゾン、グリー、三菱UFJ銀行なども選択制DCを導入しています。

選択制DCの注意点

注意点が一つあります。

選択制DCを一旦始めると、掛金の拠出を止めることができません。
iDeCoは、掛金の拠出を止めて「運用指図者」になることができましたが、企業型DCには、中断する選択肢がないので注意してください。

但し、金額は、規約で定める最低金額に落とすことができます。通常、最低金額は、3,000円や5,000円と設定しているところが多いようです。

掛金は社保の計算基礎に含まれない?!

選択制の特筆すべきところは、掛金の金額は、社会保険料の計算の基礎に含まれないことです。
また、税金の計算の対象外になります。
したがって、多くの掛金を拠出すればするほど、社会保険料の負担が軽減出来たり、納める税金が少なくなったりします。

選択枠の設定


選択制DCには、選択枠が設定されます。

通常、企業型DCの上限である55,000円に設定されています。
その55,000円の枠を「生涯設計給付枠」としたり「ライフプラン給付枠」としたり、プランごとに呼び名は変わります。個人は、選択枠の範囲内で、「今、給与として受け取る」のか「将来、一時金や年金として受け取る」のかを選択します。

中小企業に普及し始めたこの「選択制」企業型DCは、多くの従業員が掛金を掛ければ掛けるほど企業の負担する社会保険料が減るので、取り組みやすいプランとされています。

次回のコラムでは、給与減額型のメリットについてご説明します。お楽しみに!

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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