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ひよっ講座 vol.34 『DCが社員の採用と定着に関係する?』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

3回に分けて、中小企業が企業型DCを導入する理由をお伝えしています。
前回は、社会保険料の削減効果についてお話ししましたが、今回は「社員の採用と定着」をテーマにお話ししましょう。

社員の採用と定着

中小企業が企業型DCを導入する動機として、社員の採用と定着があります。

最近、「人手不足」という言葉をよく聞きます。多くの企業が、人材採用に苦労しています。ハローワークでは、良い人材を採用できないし、専門業者に依頼すると高額な費用が発生します。かといって、人手を確保しないと企業として成長できる機会を逃すことになります。

しかし、やっと採用できたとしても、早期に辞めてしまうこともありますので、経営者としては悩みが尽きません。

そこで、人材採用や社員の定着のために福利厚生を充実させて会社の魅力を高めようとします。ところが、経営者からすると、どの福利厚生プランも帯に短したすきに長しといった印象を持たれると思います。また、それなりに費用が発生します。

人材採用に悩んでいる経営者に企業型DCを説明すると、「こんな良いものがあるなら早く提案してくれればよいのに。」と言われたりします。主なリアクションは、以下の通りです。

・ちょうど、退職金制度を入れようと思っていたので、タイミングが良かった。企業型DCを採用します。

・中退共(中小企業退職金共済)に加入しているが、中退共を止めて企業型DCを始めたい。
※現実的に中退共を止めるのは難しいです。

・社員が10名の中でiDeCoに加入している者が2名ほどいて、企業型DCを採用するとiDeCoの加入者2名は、企業型DCに加入すると思う。

・社員の中に前職で企業型DCに加入している者がいて、ほったらかしにしていると聞いた。企業型DCを導入すると、前職の企業型DCで貯めたお金を移換できるのが良い。

・銀行からiDeCoプラスを勧められているが迷っていたところでした。iDeCoプラスより企業型DCの方が、メリットが多いので、企業型DCを導入します。

・選択制の企業型DCにして、会社の社会保険料が下がるのであれば、ほぼ、無料で福利厚生制度が導入できるので、やらない理由が見つからない。

・投資教育を通して、社員の金融リテラシー向上につながるのが良い。

最近は、大手企業の多くは企業型DCを採用しています。大手企業を辞めて中小企業に転職してくる人は、ほとんど、企業型DCに加入しているので、企業型DCを導入していれば、転職しやすくなります。また、iDeCoは、個人で手数料を負担しています。企業型DCは、企業が手数料を負担するので、iDeCoから企業型DCに移換した社員に喜ばれます。

さらに、DeCoPAの投資教育パッケージプランを導入すれば、継続的に社員の金融リテラシー向上に役立ちますので、これも福利厚生に繋がります。

中小企業にとって企業型DCの導入は、社員の福利厚生の観点からも大いに貢献することがお分かりいただけたと思います。求人票に「確定拠出年金制度あり」と記載できれば、採用に有利です。

本記事はライターが校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年12月13日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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