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ひよっ講座 vol.18 『選択制企業型DC 二つの加入形態』

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ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

企業型の確定拠出年金(DC)には、加入形態が4つに分けられます。
その内、中小企業が最も導入しやすい「選択制」と言われる企業型DCの特徴を4回に分けてご説明してきました。最終回(4回目)は、二つの加入形態について説明します。

二つの加入形態とは、「完全選択制」と言われるものと「会社拠出+選択制」と言われるものです。

完全選択制

「完全選択制」とは、役員・従業員の中で企業型DCの加入者になるかどうかを本人の意思で決めることができる制度のことを言います。また、掛金額も個人の選択で自由に設定することが可能です。

「完全選択制」の一般的なルール

・DCに加入するかしないかを選択する
加入する選択は、制度導入後に後から選択することができます。
但し、一旦掛け金を拠出すると止めることができないので注意が必要です。

・掛金額は、3,000円以上55,000円以内、1,000円刻みで選択する
掛金額は、毎月でも変更可能ですが、事務が煩雑になるので、年に1回か2回変更できるように会社のルールとして決めることができます。

・給与明細の変更を行う
基本給を一律55,000円引き下げて、生涯設計手当やライフプラン給付という名目の枠を55,000円、基本給に上乗せします。DC掛金は社会保険料等の計算基礎とならないため、DC掛金の拠出額に応じて、社会保険料と所得税等の軽減効果があります。
加入しない人は、今までと同じ手取りとなり、不利益が生じません。

・役員と従業員とで、拠出パターンの変更ができる
役員のみ、現在受け取っている役員報酬を減額せずに、55,000円(3,000円~55,000円)を企業型DCの掛金として拠出できます。

会社拠出+選択制

次に、「会社拠出+選択制」ついて見ていきましょう。

その名の通り、福利厚生制度として、全員に3,000円以上の掛金を企業から上乗せし、55,000円から会社の上乗せ分を差し引いた金額の枠内で役員・従業員が掛金額を自由に選択して、拠出するものです。この場合は、加入資格のある人は、全員が加入者となります。

「会社拠出+選択制」の一般的なルール

・会社が拠出する掛金の金額は、役職や勤続年数により段階をつけたり、基本給の何%という客観的な基準を付けたりすれば、自由に設定可能。(ただし、ある職種だけ、あるいは勤続1年未満は0円というような設定はできません。)

企業負担分の掛金について、入社3年未満で退職した場合、企業に返還する「事業主返還」という制度を付帯することができる。(期間は1年・2年・3年のいずれか)

・役員・従業員は、55,000円から企業が拠出する分を差し引いた金額のうち、いくら拠出するかを選択することができる

・選択できる部分のうち、掛金として拠出した部分は、完全選択制と同様社会保険料等の計算基礎とならない

企業型DCのコストは、加入者一人当たり〇円というように決められているのが一般的です。
「会社拠出+選択制」は、全員が加入者になるので、会社側としてはコスト高につながります。
それでも、最近は、福利厚生の拡充の観点から「会社拠出+選択制」を選択する企業が増えてきました。従業員にとっては、ありがたいですね。

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WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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