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ひよっ講座 vol.7 『公的年金と確定拠出年金の違い』

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#お金

ひよっ講座では一般社団法人確定拠出年金推進協会東北支部の協力のもとiDeCoについてわかりやすく解説するコラムです。既に確定拠出年金を運用している方も、これから始めてみようと思っている方も、お付き合いください。

今回は公的年金と確定拠出年金の違いについて解説していきます。

日本の年金制度

年金制度は、建物になぞらえて、「1階部分」「2階部分」「3階部分」といわれます。

「1階部分」は、国民年金(基礎年金)です。
「2階部分」は、基礎年金の上乗せとしての、厚生年金があります。
「3階部分」は、公的年金を補完する役割を持つ、国民年金基金(自営業者等)や企業年金等があり、確定拠出年金もこの建物の3階部分にあたります。


この図では、ピンク色が個人型、黄色が企業型を表しています。

国民年金では、日本国内で居住している20歳以上60歳未満の方が、国民年金の被保険者となり、加入が義務付けられています。
また、厚生年金は日本の民間企業の従業員や公務員が加入する公的年金制度で、保険料の一部は自動的に国民年金に拠出される仕組みになっているため、厚生年金に加入している人たちは、別途、保険料を払わなくても国民年金にも加入していることになります。公的年金は生きている限り支給される終身年金です。

3階部分は公的年金の上乗せ部分で、私的年金とも呼ばれています。
ここは企業型と個人型があり、企業型は大きく確定給付年金と確定拠出年金に分かれます。
個人型確定拠出年金はiDeCo(イデコ)と呼ばれ、私的年金に該当します。

自営業者などは2階部分の加入ができないため、岩の背として国民年金基金とiDeCoの2つを利用できます。

また、iDeCoは2017年1月から、専業主婦(第3号被保険者)や公務員も含めて、基本的に60歳未満のすべての人が加入できるようになりました。

公的年金と確定拠出年金の違い

公的年金は、社会的扶養による年金です。
つまり、現役世代が保険料を負担して、老後の年金受給世代を支えるという図式になっています。
この方式を「賦課(ふか)方式」といいます。

少子高齢化が急速に進み、支える側の人口が減少し、支えられる側の人口が増加して、十分に豊かな老後を送ることができなくなりつつあります。現役世代の保険料負担は、年々増加していく一方で、老後の年金は少しずつとはいえ減少し続けています。

公的年金の最大の特徴は、終身で受け取ることができることです。
長生きすればするほどメリットが大きくなり、早く亡くなった場合は、支払った保険料分を受け取れずに終わってしまうことになります。

一方、確定拠出年金は自助努力による年金です。

若いうちから老後の自分のために積み立てる「積立方式」となります。
拠出には、個人別に専用の口座が作られ、拠出金はその口座に積み立てます。自分の貯めたお金で自身の老後を支える、いわゆる「自助努力」による年金なのです。

老後期間はどうやって計算する?

老後の生活を支えてくれるのが年金制度ですが、一言で老後といっても、若い世代ではピンとこないことが多いかと思います。
そこで、老後とはどの程度の期間あると考えたらよいか、65歳を定年退職の年齢と考えて、余命何年あるのかを紹介します。

厚生労働省の「令和3年簡易生命表」をみると、平均寿命は男性81.47年、女性87.57年となっています。
定年退職したあとも、ほぼ社会人として働いてきた年数の半分ほどの年月が老後の生活として存在することがわかります。

そのため、公的年金である国民年金、会社員や公務員が加入している厚生年金だけでは生活費が足りなくなる可能性が高いと考えられます。

WRITER この記事を書いた人

一般社団法人確定拠出年金推進協会 東北支部

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