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株コラム vol.6 『信用口座の注意点』

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信用口座を開設して、いざ株投資をやるぞ!となった時に、気を付けなくてはならないことの中に「信用維持率」というものがあります。

信用取引をするときに、証券会社に担保として差し入れる現金や株が、建玉金額に対してどれくらいの割合になっているかということがとても重要になってくるので、信用維持率を通常は70%くらいを維持して、ベテランのトレーダーになったとしても40%を維持するように心がけましょう。

たとえば、この信用維持率が25%になると「追証」と言って、担保不足を指摘されます。担保不足になると直ちに不足分を入金しなくてはなりません。ですから、この「追証」にならないように、ゆとりある信用取引ができるように、70%の維持率を保っていくことが理想かと思います。

そして、信用取引には2種類あり、制度信用と一般信用というものがあります。

私たちが通常利用する信用は、制度信用と言って、東証が銘柄を選定して、貸借銘柄のみが下げて利益を得る「空売り」で取引することが出来ます。そして、期限が決められていて6か月間で返済しなくてはなりません。
一方、一般信用とは、各証券会社が信用取引のできる銘柄を選定して無期限でOKです。保有中のコストとしては、制度信用のほうが安く、一般信用のほうが高くなっています。

では、信用取引の配当はどうなるのか?というと、制度信用も一般信用も、買いなら、配当相当額がもらえます。逆に売りなら配当相当額を支払います。ですので、取引をする個別銘柄の権利付き最終日を確認しておきましょう。ちなみに、信用取引では、株主優待はもらえません。

それでは、信用取引のリスクについて確認していきましょう。

まずは、「追証」です。
これはレバレッジを控えめにして、きちんと信用維持率を維持していけば追証の発生を抑えられます。

それから「二階建て」というものもリスクにはあります。
この二階建てとは、保証金に充てている現物の株と同じ銘柄を信用で買う事を言います。
株価が下がってしまうと、現物も信用も両方の株価が下がり、担保にしていた株も値下がってしまう為、追証発生リスクが高くなりますので、取引時に現物と信用と同じ銘柄を取引するのは避けましょう。

それから制度信用では「逆日歩」(ぎゃくひぶ)というリスクもあります。
この逆日歩は、たとえば、ある個別銘柄を売りたいという人が続出して、貸し出す株券が不足してしまったときに発生する利息のことを言います。
信用の空売りは、証券会社に株を借りて取引しますから、一気に大量注文が出ると、証券会社に株の在庫がなくなって、別のところから株を借りてこなくてはならず、その分の利息が発生するというわけなんですね。ですから、利益よりも逆日歩のほうが大きくなる場合もある為、注意が必要です。
逆日歩の利息は、銘柄を空売りした人が負担して、逆に買った人が受け取ります。

もう一つのリスクとしては、「踏み上げ」というものがあります。
個別銘柄で突然好材料の発表など株価が大きく上昇し、新規に買いたい人が殺到し、どんどん株価が上昇している中、空売りをしていた人の買戻しもプラスされて、株価が上昇していき、買いが買いを呼ぶ現象のことを言います。
このような時に空売りをしていた場合には、まずはあきらめて買戻しをして一旦リセットして踏み上げ回避をしていきましょう。このような信用取引のリスクを理解して、自分自身で管理することによってむやみに恐れる必要がなくなります。

信用取引は、株価が下げても利益を得ることが出来るすばらしい制度です。一発退場にならないように資産管理をして上手に制度を使っていきましょう。

WRITER この記事を書いた人

城晶子先生
マネーの達人第一回投資バトル チャンピオン・夕刊フジ株-1グランプリ4月度 優勝
お金のプロといわれるファイナンシャルプランナーの資格を活かし、ギャンブルではなく資産運⽤としての株式投資をしっかりと確⽴。「上げでも利益を取り、下げても利益を取り、更に株主優待も取る」をモットーに、⼥性⽬線でわかりやすく相場の現状と先⾏きを伝える現役のトレーダー。

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