高齢者の「コショク」と「共食」

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先日、友人がこぼした悩み話。闘病していた友人の母親が入院か在宅かの状況になり、コロナ過の入院だと面会できないからと、在宅で訪問医療・看護を選択しました。寝たきりの母親の介護を父親がしていました。その後母親が亡くなり今度は父様が、孤食・孤立していると心配し悩んでいました。

友人が地域のレクリエーションを調べ、参加を勧めてみても拒否し母親が存命のときは栄養バランスを考えた介護食を作っていたという父親が、一人になると食事を抜いて偏った食生活になったようで「孤食」により体調も優れず、人とのコミュニケーションを拒む傾向がみられ、主張が激しくなり、ますます孤立しているそうです。
人と関わるためにもコミュニケーションの場としても「コショク」を改善する方法はないかと調べたところ、実に様々な「コショク」があることがわかりました。

コショク

「孤食」「個食」「固食」「小食」「粉食」「濃食」「戸食」「虚食」「子食」
これらの言葉は全て「コショク」と読みますが、意味はそれぞれ異なります。

孤食:家族が不在等で食事をひとりで食べること

固食:自分の好きな決まった物しか食べないこと

小食:いつも食欲がなく食べる量も少ないこと

粉食:粉製品(パン・麺類など)を主食として好んで食べること

濃食:味の濃いものを好んで食べること

戸食:外食ばかりの食事

虚食:朝、食欲がなく何も食べないこと

子食:子供だけで食べること

今から20数年前に、テレビ放送で子供だけで食事をとる「孤食・子食」が問題視されるようになり、弊害として栄養面からと精神発達面からの問題があり、それらは食との関わりが大きいことが指摘されていました。現在では、高齢者の「孤食」も様々な問題点が考えられます。また、家族そろっての食事においても、家族皆が別々のものを食べる「個食」で個人の好みを尊重した食べ方という見方もできますが、同じものを食べるという食の共有感が生まれないと指摘されていたようです。

このように現代の食生活においても、いろいろと問題視されている「コショク」の解消には食事面だけではなく人と人とのコミュニケーションづくりが重要と考えられます。

ちなみに私は「濃食」「子食」以外は、思い当たる友人、知人がいます。皆様はどうでしょうか。
誰か知り合いがこのような「コショク」していませんか?

共食

「コショク」ではない食事は、何かというと「共食」だそうです。
共食とは家族や友人など誰かと一緒に食事をすることです。共食により規則正しい食生活や健康な食生活につながりやすいようです。

また、家族で食卓を囲むことは、協調性や社会性を育て、子供にはしつけの場にもなり、生活習慣病や偏食防止にもつながります。せめて、一日一食は誰かと食卓を囲みコミュニケーションを深めたいものです。食を通し、家族や仲間、さらには地域を含めた心のつながりを持てることも大切なことです。

高齢者を共食へ

高齢化は世界規模で進行しており日本では人口の28.8%を65歳以上が占めています。(令和210月総務省)

高齢者になると死別による独居や高齢化に伴う世帯状況の変化により孤食、固食、小食及び欠食などで野菜・果物の摂取不足により肥満や低体重のリスクが高い可能性があります。特に男性は、調理能力が低いこともあり健康という観点からよりも感覚的な嗜好を優先して食事を選ぶ傾向があるとの報告があり、健康に大きく影響する可能性が考えられます。(令和3年3月厚労省資料)

高齢者は、活動量が少なく空腹感も感じにくくなっています。一人暮らしや、家族がいても一人で食事を食べる人は、食べる時間や食べるものを自由に選択できる分、食事を抜いたり、食事量を減らしたりするものです。

前述の友人は、父親が孤立しやすいことは想像できていたのだから、母親が健康な時から夫婦で地域のコミュニティに積極的に参加することを勧めていたらと後悔していました。今後、独居者の増加が予想されていますが、身近な問題として家族や友人を巻き込み、自治体でコミュニティをつくるなど共食を進めることが高齢者の食行動に効果的なのかもしれません。あなたの周りに「コショク」予備軍はいませんか?

これを機に「コショク」から「共食」への一歩を考え、あなたの周りにも健康な食行動でその人の尊厳が守られ、食べることを楽しめる高齢者が増えるといいのですが。

ギャラリー杜の音では、有料老人ホームの見学を兼ねて昼食を食べることが出来ます。ご夫婦やご友人に声掛けし、お気軽にお越しください。
TEL022-772-3020に事前に、ご予約をお願い致します。

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  • 日々の生活に学びをプラス KU-TAN ACADEMY
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