ケースレポート

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ケースレポート:警察・救急車を呼ぶとどうなるか

①在宅看取り予定の方に関して、近隣の家族が救急隊を呼んだケース

救急隊を呼んだケースでは、同居人が先にほんの数分前でしたが早く到着したので、部屋に踏み込んできた救急隊員に在宅看取り予定のことを言って帰って頂きました。着くのが遅れていたら死亡診断書が書けないところでした。

②在宅看取り予定の方に関して、家族が警察を呼んだケース

警察より同居人が先に到着して既に主治医の死亡診断をしてしまいました。死後の清拭に訪問看護師さんも呼んで私もすでに到着していました。その後に警察が到着、残念ながら検死となってしまいました。しかし、主治医と私で在宅看取りの件を説明し死体検案書にはならないですみました。

③早朝ヘルパー来訪時にベッド脇で倒れ在宅酸素が外れた状態で心肺停止となり発見されたケース(肺癌末期の患者さん)

ヘルパーさんから連絡後すぐに30分ほどで来訪し、死亡確認しましたがその直後に所轄警察署が踏み込んできました。聞けば報告を受け焦ったケアマネさんが110番したとのこと。
主治医が先に到着し死亡確認までしているにもかかわらず、「通報があったため、検死の対象だ」の一点張り。結局、そのまま御遺体は警察の管理となり主治医の診療所は早朝に駆けつけ死亡診断したものの、それすら受け入れられずということがありました。


救急車をあわてて呼んでしまった場合には、救急隊員に運ばれて挿管されたり検案事例になったりと、家族本人の望まないケースになるが、パニックになって呼んでしまうことも少なくありません。死体検案時にて警察がきていて検案を主張しても主治医がいて定期訪問していれば死亡診断書が書けるとのことです。

みんなで理解しよう終末期のあり方(在宅看取り 届出について)

警察に在宅看取りの事をよく知ってほしいということはありますが、私の何回かの経験では向こうも仕事でやっている以上、通報があって出向かない方が内部的な問題になるようです。在宅看取りについては、医師の方々でさえも十分理解しているとは言えない現状では、警察までが理解できるようになるのは先の事ではないかと思っています。

結局家族への啓発といっても、いつも接するキーパーソンは理解していても別の家族や近所の人が警察や救急隊に電話し、こういうことがあり得ます。

ケアマネが通報ということ、ケアマネも在宅看取りということを知らない、経験したことがないこともあるので普段から周知しておく必要性をいつも感じます。

キュアからケアへ

知人の医師が終末期医療で延命処置のための点滴をするべきかという論議がされたときに、一個人としての体験(癌の奥様を自ら看取った体験)を話されたそうです。亡くなっていくのは患者さん本人であるし、悲しみの中で見送っていくのは家族ですから最良の手助けを主治医はやるのだと言ったことを思い出しました。

キュアは治療すること、ケアは介護すること。在宅医療のあり方を考えるとき、在宅医療でもキュアはできるがそれが正しいことなのか、漠然と生きながらえさせるのには抵抗があります。また、自然に寿命を迎えさせることが理想なのか。最近、私は病院以外の自宅や有料老人ホームで介護をして看取りをしてもいいのではないかと思っています。

医療知識の豊富な方にケアをしてもらうことで、本人が安心するのと。家族の精神的支えになる。
(〇〇病院の○○先生の診断がよいとか。認定看護師でないと駄目だとか。そんなことではない)

本人が自分の生き方(逝き方)として、清明なときから事前に意思表示して準備して自らの尊厳ある人生を決定づけます。自分の命のことは自分が決めるという、当たり前のことを書面で残しておくことが非常に大切だと思うのです。

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  • 日々の生活に学びをプラス KU-TAN ACADEMY
  • 今から考える、未来のじぶん コラムで学ぶ 介護、相続、老後