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株コラム vol.31 『国の格付けって?』

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#お金

国の格付けってご存じですか?

8月3日のニュースで、フィッチという格付けの会社が、米国の長期外貨建て発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたということを受けて、米国金利が上昇し、そして、株は売られる展開となりました。

格付けとは?

この格付けというのは、格付け会社が、それぞれの国の国債などの信用力を測っていて、ちゃんと元利金が約束通りに支払われるか?という確実性をAAなどの記号で表しています。

この記号は、トリプルエー「AAA」が最も信用力が高くて、米国はトリプルAだったのが引き下げられたということでした。この記号がDになると全く信用できない状態、いわゆるデフォルトしてしまい、元本を失う可能性が非常に高いということになります。投資家としては、格付けがDよりもAを選びたいですよね。
もちろん利回りとしては、格付けが低くなるほど高くなるわけですから、利回りだけを見るとDのほうが投資したいという気持ちになるかもしれませんが、債務不履行で元本が戻ってこないリスクを考えると、やはり信用度が高いものに投資したいですね。

この格付けは、BBB以上を「投資適格格付け」と言って、信用度が高いものとされています。
逆にBB以下は信用度が低くて、「投機的格付け」とされています。

この格付けによって投資家は、購入を考えている債券の安全性を判断することができますね。
ですので、投資家の判断材料となるわけなんです。

格付け会社とは?

では、この格付け会社って、いったいどんな会社なのでしょうか。
格付け会社は、世界にいくつかあるわけですが、中でも有名なのが、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)という会社と、Moody’s(ムーディーズ)という会社が世界2大格付け機関とされています。

そして、今回の騒動となったFitch Ratings(フィッチ・レーティングス)は、ニューヨークとロンドンに本拠を置く格付け会社で、世界の格付けの約15%を占めるそうです。

この3社で格付けビジネスの95%を占めているそうなんです。

では日本はというと、格付投資情報センター(R&I)が日本最大手の格付け会社で、次に日本格付研究所(JCR)という格付け機関があります。

では日本の国債の格付けは、いったいどんな評価なんでしょうか。
実は日本はA+やAA+の格付けなので、「投資適格格付け」となっていますね。
A+だったりAA+だったり、評価がまちまちなのは、格付け会社によって評価に違いがあるからです。
今回の米国債のフィッチでの評価はAAAからAA+となって引き下げとされていますが、元々S&PではAA+でしたので、引き下げと言うよりも妥当な評価ともいえるわけです。

しかし、A評価だからといって、安全安心というわけではありません。
日本だって、リスクは常に隣り合わせですので、投資は慎重に自己判断で行っていきましょう。

WRITER この記事を書いた人

城晶子先生
マネーの達人第一回投資バトル チャンピオン・夕刊フジ株-1グランプリ4月度 優勝
お金のプロといわれるファイナンシャルプランナーの資格を活かし、ギャンブルではなく資産運⽤としての株式投資をしっかりと確⽴。「上げでも利益を取り、下げても利益を取り、更に株主優待も取る」をモットーに、⼥性⽬線でわかりやすく相場の現状と先⾏きを伝える現役のトレーダー。

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