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株コラム vol.17 『PBR1倍割れ企業』

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#お金

買いたい銘柄を選ぶときに、ファンダメンタルズ分析で割安な銘柄に投資しようという考え方があります。
理論上の株価よりも割安だと判断されている銘柄は、その後、適性の株価まで上がってくるだろうという思惑で、その銘柄を買うというわけです。

では、その割安というものを判断するために、どんなファンダメンタルズ分析があるのでしょうか。
この分析には、いろいろな指標が用いられますが、中でも今とても話題なのが『PBR』です。

このPBRとは、株価純資産倍率と言って、「株価/1株純資産」純資産に対して株価がどのくらい評価されているのかということを示す指標です。
例えば、PBRが2倍だとすると、純資産に対して株価が2倍で評価されているということなんです。

つまり、それだけの利益を、今後その企業が稼ぐだろうって見られているというわけなんですね。
逆にPBR1倍は解散価値などと言われていて、企業が解散したとしても、その時点の株価と同じだけの資産を株主に返せますよということなんです。

このようにPBRが1倍未満という事は割安だから、いずれは1倍になるだろうという思惑から買ってみようかなという判断にもなりますが、逆にPBRが低ければ低いほど、企業の将来が期待されていないという見方もでき、株主からすると、いっそのこと解散してもらったほうがいいんじゃないかと見えてしまう場合もあります。
割安だからと言って安易に買いの対象とするのではなく、他の指標とも合わせて判断していかなくてはなりません。

実はなぜ、このPBRが話題になっているのかというと、東京証券取引所は継続的にPBRが1倍を割れている企業に、改善に向けた方針や具体的な取り組みなど、進捗状況を開示することを「強く要請する」としました。ということは、PBRが1倍を割れている企業は、これから1倍にするように改善してくるという事が想定されています。

現在、どれくらいの企業がPBR1倍を割れていると思いますか?
東証はプライムとスタンダードの2市場で、PBR1倍割れはなんと約1800社あり、全体の5割強を占めているわけです。
そんなにPBR1倍割れの企業が多くあるので、特にプライム市場で50%を占めているのは良くないよね、改善してくださいね、という要請になったわけなんですね。
トヨタ自動車やソフトバンクグループなど、日本を代表する企業もPBR1倍割れ企業に入っているわけですから、私達投資家としては、この先どのように改善していけるのか?今後の企業の改善に期待したいところです。

では、どのようにPBR1倍割れを改善できるのかというと、配当を出したり、自社株買いをしたりすることで改善ができますので、いずれにしても株主にとっても企業にとっても良い方向に進めるように改善していってほしいですね。

WRITER この記事を書いた人

城晶子先生
マネーの達人第一回投資バトル チャンピオン・夕刊フジ株-1グランプリ4月度 優勝
お金のプロといわれるファイナンシャルプランナーの資格を活かし、ギャンブルではなく資産運⽤としての株式投資をしっかりと確⽴。「上げでも利益を取り、下げても利益を取り、更に株主優待も取る」をモットーに、⼥性⽬線でわかりやすく相場の現状と先⾏きを伝える現役のトレーダー。

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