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株コラム vol.9 『日銀総裁の後任人事』

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#お金

ニュースを見ていて、日銀総裁の後任人事の話しが出ていたりしますね。

全く興味ないし、関係ないんじゃないかな?と考えている方もいらっしゃるかもしれません。でも、実は私たちの生活にも、そして資産運用にも影響するかもしれない大切な人事なのです。

日銀=日本銀行は物価の変動を極力抑えるという役割があります。
景気がいいと、世の中にお金がたくさん出回っていて、物の値段が上がりやすくなるんですね。反対に、景気が悪いと世の中にお金がない、だから高い物は買えないわけですよね。そうすると企業は商品を値下げして、物の値段が下がるわけです。

そんな時に日本銀行は何をするのかというと、景気がいい時には金融引き締めを行います。

私たちが利用している民間の銀行は、景気がいい時には金庫にたくさんお金があるから、お金を貸してほしい人にお金をたくさん貸すことができますね。でも貸しすぎると世の中にお金が出回りすぎてしまって、物価が上がりすぎてインフレになってしまうんです。だから日本銀行は国債を発行して、民間の銀行からお金を回収しようとするんです。
そうすると、銀行の金庫にはお金がなくなっていきます。すると、お金を貸してほしい人や企業にお金を貸せなくなってしまいます。このようにしてインフレの行き過ぎを押さえていくという政策をとっているんですね。

逆に不景気の時には金融緩和を行います。デフレの行き過ぎを抑えるために、日本銀行は民間の銀行が持っている国債を買ってあげて、お金を銀行に戻してあげると、金庫にお金が増えて、またお金を貸し出すことが出来て、世の中にお金が出回るわけです。

このように日本銀行は物価の調整、景気の調整という金融政策を行っていくんです。

ということで、インフレやデフレの調整をしていく役割の日本銀行の黒田総裁が4月8日に退任となるわけです。今までアベノミクスということで、日本は金融緩和の政策をしてきて、デフレになったわけですが、世界はインフレに向かっていますね。

世界の影響を受け、日本も物価がどんどん上がり、反面、給料が上がらないという悪い物価上昇となり、政府は賃上げをするようにと企業に話しているんですね。
ですから、ニュースなどでは初任給が+5万円だとか、インフレ手当を出す企業など、インフレ対策がなされてきていますが、まだまだ中小企業は厳しい状況にあり、賃上げ倒産する企業が出るのではないかと報じられているほどなんです。

日本は、輸出国家ですから円安のほうが輸出企業には良い面があるので、なるべく円安にしてほしいという声も多く、そして住宅などの借り入れ面からも、超低金利でと考えている方も多いです。そのような声に耳を傾けながら、徐々に時間をかけて今までの方針を転換させていくのだろうということで、今年と来年、日本経済が金融政策によってどのように変化していくのか気にしてみていきましょう。

WRITER この記事を書いた人

城晶子先生
マネーの達人第一回投資バトル チャンピオン・夕刊フジ株-1グランプリ4月度 優勝
お金のプロといわれるファイナンシャルプランナーの資格を活かし、ギャンブルではなく資産運⽤としての株式投資をしっかりと確⽴。「上げでも利益を取り、下げても利益を取り、更に株主優待も取る」をモットーに、⼥性⽬線でわかりやすく相場の現状と先⾏きを伝える現役のトレーダー。

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